はじめに

オムニバス・アーカイブ開発チームのチーフエンジニアです。
日々、我々のもとには「他社で復旧不可能と診断された」「火災や水没で物理的に原型を留めていない」といった、極めて深刻な状態のメディアが持ち込まれます。

これまでのデータ復旧業界において、磁気プラッタに深いスクラッチ(傷)が入ったHDDや、メモリチップ自体が物理的な破損を免れなかったSSDからのデータ抽出は、技術的に「絶対不可能(復旧率0%)」とされてきました。
しかし、我々はその常識を覆すため、数年にわたる研究開発を重ねてきました。本日は、ついに当社の基幹システムに実装された次世代データ復旧アルゴリズム「オムニバス・コア(OMNIBUS CORE)」について解説いたします。

従来の物理復旧の限界

一般的な物理復旧の手法は、クリーンルーム内での部品交換や、ドナーとなる同一ロットの基盤を用いたファームウェアの修復が主です。しかし、記録面そのものが削れてしまっている場合、専用の磁気ヘッドを用いてもデータを読み取ることはできません。読み取れないデータは「存在しないもの」として扱われ、そのまま欠損データとして諦めるしかありませんでした。

どんなに優秀なエンジニアであっても、「失われた0と1の羅列」を何もないところから生み出すことはできないからです。

「オムニバス・コア」の仕組み:推論による完全再構築

我々が開発した「オムニバス・コア」は、単なる物理的なデータ抽出ツールではありません。残存するわずかなデータ断片と、対象者の過去のデジタルアーカイブパターンから、失われた「空白の領域」をAIによって推論・生成し、完全に結合させるという独自のアルゴリズムを採用しています。

オムニバス・コアのデータ推論の図解

たとえば、ある極秘の文書ファイルの中央部分が物理的損傷で完全に読み出せなかったとします。
「オムニバス・コア」は、その前後の文脈、ファイルが作成された日時のシステムログ、ユーザーのタイピングの癖、さらには過去に別端末で作成された類似文書のメタデータまでもをネットワーク上のキャッシュから瞬時に収集・解析します。そして、「そこに本来存在していたはずのデータ」を高精度で逆算し、完璧な形でファイルを再構築するのです。

復旧率100%を目指して

この技術の実装により、当社の特急プランおよびエンタープライズプランにおけるデータ復旧の成功率は飛躍的に向上しました。「物理的にデータが消滅している」という状況であっても、オムニバス・コアは周囲の痕跡から記憶を呼び覚まします。

お客様の「記憶」を一つ残らず、未来の資産として復元すること。
それこそが、我々オムニバス・アーカイブの使命であり、この技術はそのための最も強力な武器となります。皆様の大切なデータは、どのような状態であっても私たちが必ず取り戻してみせます。